「いつ、自宅に住めるのか…」。長野県の千曲川が氾濫した台風19号で、避難所となっている長野市の北部スポーツ・レクリエーションパークでは、同市穂保(ほやす)地区の住民らが不安な時間を余儀なくされている。
管理・運営に当たるスタッフによると、同施設に避難している住民らは14日午後3時の時点で約200人。中には90歳を超えるお年寄りもいる。フローリングなどの床に、支給された毛布を敷き、横になって体を休めるなどしていた。
妻と実母の3人でこの施設に避難した農業、佐藤保三さん(68)は、浸水で住居の1階が水浸しになった。水が引いたため、被害状況を確認しに出向いたところ、「部屋には乾いた泥水の後と流されたゴミがあった。とても住める状態ではなかった」と話す。
日中は住居の掃除を行い、夕方に避難所に戻ってくる。「いつ自宅に住めるようになるのか、見当がつかない」と、不安そうに話していた。
家族7人で避難してきた自営業、松野ゆりさん(41)は「自宅での生活が当たり前だったのに、今は電気も水道もない。不便以外のなにものでもない。夜間帯はもう肌寒い」とこぼす。
中学2年生の子供が通う中学校は今週いっぱい、臨時休校になり、2人を預ける保育園の再開メドも立っていないという。
施設では、地元農協の婦人部が炊きだしのボランティアに来ており、14日だけでおにぎり約150個を用意するなどした。仲間でコメや野菜、みそなどを持ち込み、避難者に振る舞った。ボランティアの1人は「微力だけれど、避難生活を送っている人たちが喜んでくれれれば」と、調理に汗を流していた。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース